INTERVIEW
2016.11.15

内田雅章×中村真一郎【前編】C Channel社長 森川亮の心をつかんだ一言とは。トップの目に止まるための、自分を売り込むコツ

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「ビジネスを成功させる鍵は“人脈”」。

社内政治の波にもまれて、あるいは起業するための資金作りに苦慮して、“人脈”の大切さに気づいたビジネスマンは多いはず。「コネさえあれば……」と涙を飲んだ日もあっただろう。あるいはそうならないために、交流会に積極的に参加し名刺交換をしたり、facebookで有名企業の経営者に必死になってメッセージを送ったりしてはいないだろうか?

しかし、現代人はー特に立場が上の人間ほどー多忙である。名刺もメールもメッセージも目を通されることなくゴミ箱に送られることが大半だ。ではいかにして、“トップ”と呼ばれる人間とつながるのか。

その答えを知るのは、1,000人の社長とすぐにアポイントメントが取れる、日本随一の“人脈”のプロ、内田雅章氏だ。銀行員からキャリアをスタートさせ、銀座のクラブのオーナーや大学生の就職支援会社社長を経て、“人脈”をテーマに数多くの著書を執筆。精力的に講演もこなしながら「人脈マッチングプロフェッショナル」としての地位を築き上げた人物だ。

ウィンコーポレーション代表取締役CEO中村真一郎氏の対談企画・第6回のテーマは、「トップの心のつかみ方」。自分を売り込むコツについて内田氏にうかがった。

トップとつながるには、Give&Give。相手に利益を与えられる存在になることが必要

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中村:
私は以前から内田さんとじっくりお話ししたいと思っていました。というのも、内田さんは物を作るわけでもなく、「人脈」という特殊なビジネスを形成している。人脈作りのノウハウをいかにビジネスとして成り立たせているか、非常に興味があります。

内田:
それは光栄です。私は、経営者を対象として、その人その会社の役に立つ人を紹介する事業をおこなっています。また、そのほかにも「人脈」を切り口に講演や本の執筆などもしています。

例えばベンチャー企業の社長とその会社がアプローチしたい企業のトップを引き合わせてつながりを作り、商材導入や業務提携をやりやすくしたり、また、地方の企業が東京で販路を拡大するときなども相談を受けます。

わかりやすく言うと、慶應義塾大学のような名門校には、三田会のように卒業生団体があってそこにはつながりがありますね。そのつながりを“内田会”として私が社会で作っているのだと考えていただきたい。

中村:
なかなかあまり類を見ないサービスを展開されていますね。ただ、私の実感として、人脈を作って維持するのはすごく面倒なもの。私は名刺を持て余しがちなので、実際まめな人でなければ、なかなか人脈を作り、それを維持するのは難しいでしょう。

内田:
確かに、人脈作りというのは面倒に感じられがちですが、あまりそう感じたことはありません。これは性格的なことももちろんありますが、私の場合は事業を捨てて“人脈作り”に特化しているというのもその大きな理由でしょう。人とのつながりだけを考えていればよいので。他の社長は自分の事業+人脈開拓と人脈の維持。正直、これは大変です。

中村:
それをビジネスにできるのは一つの才能でしょうね。しかし、“人と人”の商売である以上、トラブルもあるのではないですか?

内田:
もちろん、たまにはありますよ。ただ私は銀座でクラブを経営していた経験もあるので、人を見る目には自信を持っています。「本当に信頼できる人」「信頼できる商材」を紹介しないと私の信用に関わるので(笑)。

人脈がほしいと思っている人に意識して欲しいことですが、自分よりも格上のトップとつながるには、自分が相手に利益を与える存在でなければなりません。Give&Giveです。自分が相手の役に立つことを証明しなければトップの心はつかめません。

中村:
まさにそうですね。決裁権を持っている人の多くは初対面の相手から来るメールなんて見ていないし、facebookで来る友達申請もほとんど気にしていません。そういったものは“人脈”とは言えませんね。

C Channel 社長(元LINE社長)森川亮氏に気に入ってもらえた、ほんの少しの工夫

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中村:
内田さんが代表を務めるTOP CONNECT社の社外取締役には元LINEの森川亮さんが就任されていますね。どうやってその人脈を築いたのですか?

内田:
森川さんと出会ったのは、ある講演会です。森川さんがスピーカー、私は250人の聴衆の中の一人。講演後の名刺交換には、200人もの人間が並びました。当然普通にしていては印象にも残りませんし、つながりも生まれません。「どうやったら印象に残るのか」ということを考えなければなりませんでした。

そこで、私は名刺交換で誰よりも短いメッセージを残して去ろうと決めました。なぜなら多くの人は、自分を売り込もうと、1分でも長く話そうとするからです。後ろにたくさんの人が並んでいるケースでは、それは大抵の場合嫌がられるということを私は知っていました。

名刺交換の順番が来て、私はこう言いました。「いろいろとお話ししたいのですが、後ろにたくさん人が並んでいます。メールを送らせて頂きますので、それだけ見て頂いてもよろしいですか?」と。ほとんどの人は少しでも長く話そうとする中で、それはすごくインパクト残るじゃないですか。

中村:
なるほど、面白いですね。

内田:
もちろんメールも大事です。こういった講演会のあと、ほとんどの人のメールは以下の2パターンです。ひとつ目が「いいお話を聞きました。ありがとうございました。また何かあればよろしくお願いします」というメッセージ。もうひとつは、「いいお話を聞きました。私はこんな仕事をしています。よければアポイントお願いします」というメッセージ。 相手が大物で初対面だと、この2パターンのメールはまず読まれません。

そこで僕がメールで伝えたのは3点のみ。自己紹介、講演の感想、そして会食のお誘いです。

自己紹介として、私は自分の経歴などを記したファイルを添付しました。それから、講演でどういう言葉が心に残ったのか、箇条書きにしました。「いいお話でした」では何も伝わっていないのと同じなので、できるだけ具体的に。そして最後に、以前より親しくさせていただいているH.I.S.の澤田秀雄会長と3人でランチをしませんか?と持ちかけました。

本当にシンプルで余計な挨拶はひとつもありません。しかし、翌日には快諾のお返事が来ました。森川さんとはその会食をきっかけに旅行に行ったりもして仲良くなりました。

人脈は“ただ”ではない。人の心をつかむためには、時間とお金を費やすことが大切

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中村:
人脈作りで何か注意している点はありますか。

内田:
勘違いしている人もいるのですが、人脈はただで手に入るものではありません。それ相応の時間と投資が必要となります。

私は人脈作りのためにいろいろな会に入会して、多額の会費を払っていますし、お中元やお歳暮も、相手が本当に喜ぶものを、たとえ高価でも贈っています。それだけのお金を人脈作りに投資しているからこそ、私はビジネスとして人を紹介できます。

そういった投資をせずに、「人脈ができない」と嘆いている人はお金の使い方を考え直したほうがいいでしょう。自分の趣味や旅行だけにお金を使っていて人脈が自然にできるわけがないと気づくべきです。

また、自分を磨くということもしてほしい。裁量を持つ方と話すとき、「君は誰なの?」という話になる。のし上がりたいと思ったら、もっとお金と時間を自分を磨くことに使うべきです。

中村:
なるほど。

内田:
facebookで友達になっても、名刺を交換しても、あまり意味がありません。facebookというのは、確かに、つながった関係を維持していくには便利なツールですが、そもそも最初に相手の心をしっかりグリップしていなければ、そんなものは人脈とは言えないでしょう。

そのグリップをするため、私は投資をしているのです。月に1〜2回、自宅に人を招いて家内の手料理を振舞っていますし、いろいろな場所に顔を出しています。

ただし、気をつけてほしいのは、相手の心をグリップしようとして、いやらしさを出さないようにすること。関係を構築したいからといって、ただ物を贈ればいいというものではありません。

例えば保険の営業マンは挨拶のハガキを送ることがありますが、初対面で相手が自分を認識していない時は無駄だということに気づいてほしい。誰から来たのかよく分からないハガキはもらっても結局はゴミ箱に行くからです。そのような形式ばったことではなく、もっとどうすれば相手が喜ぶのかを考えてほしい。私の場合はお礼の葉書をもらうより「次の講演会に10人送り込みます」とか「本を10冊買って友人に広めました」という具体的な提案をもらえるほうがよっぽど嬉しい。

「人間という生き物」を理解できていないのだと思いますね。言葉は悪いですが、そう言った勘違いを見ると努力がもったいなく「気の毒」に感じます……。

ときには辛辣な意見も出た、今回の対談。しかしそれは誰よりも人間を愛している内田氏だから出た言葉だ。後編では、トップに立つ者の資質、そしてそのトップが一緒に仕事をしたくなる人間の特徴にフォーカスした。

後編:内田雅章×中村真一郎【後編】社長1000人とつながった人脈作りのプロが語る、信頼される人がやっていること。

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