INTERVIEW
2016.10.11

ウェルネス経営を掲げるモバイルヘルステクノロジーベンチャー「FiNC(フィンク)」の“食”に対する心くばり

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健康経営・ウェルネス経営の理念の下、パーソナルデータを駆使したヘルスケアアプリを提供しているベンチャー企業、株式会社FiNC(フィンク)。多くの有名企業が同社への出資や提携を打診したり、そうそうたるメンバーが経営陣に加わったりと、創業からわずか5年目にして社会から大きな期待を寄せられています。

FiNCの代表的な事業は、個人向けオンラインヘルスケアサービス「FiNCダイエット家庭教師」や、企業向けサービス「FiNCプラス」など。遺伝子検査や生活習慣アンケートなどの事前チェックや、専門家によるきめ細やかなアドバイスにより、他社との違いを鮮明に打ち出しているのです。

そんな、日本随一の“ウェルネス企業”の中で、“食”を通じてのエキスパートとして活躍しているのが管理栄養士です。FiNCの子会社である株式会社FiNC Online Worksには、管理栄養士のほか、食事やメンタルなど幅広い分野でクライアントの健康をサポートするFiNCREW(フィンクルー)が多数在籍しています。

FiNC社の管理栄養士である堀子千恵美さんと広報戦略室の玉野井桐子さん、そしてFiNC Online Works社のFiNCREWである星野静香さんに、企業の従業員の“食”に対して寄せる思いをうかがい(前編)、また個々のビジネスパーソンの“食”に関するアドバイスをいただきました(後編)。

「FiNCプラス」と「FiNCダイエット家庭教師」。専門家集団が支える、ビジネスパーソンの健康

finc9730FiNCREWの管理栄養士・星野さん

ー今春から開始した企業向けサービス「FiNCプラス」が注目を集めていますが、まずはそのサービスの概要について簡単に教えていただけますか?

玉野井:「FiNCプラス」は、従業員の健康状態や生活習慣を改善するために専用のアプリを通してソリューションを提供します。従業員一人につき月額約500円で提供しています。

利用者の方に対しては、食事や歩数・睡眠の質などその方のライフログをもとに、一人一人に生活習慣改善タスクを提案します。また、24時間受付の無料相談チャットを利用し、栄養面やメンタル面の問題について専門家に相談できるしくみとなっています。従業員のご家族は、「FiNCプラス」を追加費用無料でご利用いただけるのです。ご家族と一緒に健康増進に取り組めることや、時間や場所を選ばずウェルネス・ヘルスケアの専門家からの助言をもらえることには好評をいただいております。

ー従業員ひとりひとりに、かかりつけの健康アドバイザーがつくようなイメージでしょうか。普段あまり自分の健康に気を使っていない人にとっては、これ以上ないぐらい心強い味方になりそうですね。

また、星野さんは、FiNCREWとして現在「FiNCダイエット家庭教師」を担当中とのことですが、具体的な仕事内容についてお聞かせください。

星野「FiNCダイエット家庭教師」は、専用アプリを使って、トレーナーや栄養士など専門家から、栄養や運動、メンタル面のサポートを受けることができるサービスです。指導は基本的に60日間ですが、この期間、毎食の画像やコメントがお客様から送られてきます。私たちFiNCREWはそれを分析し、アプリを通して個別の食事指導をおこないます。

指導にあたっては、お客様がやる気を起こし、かつ効果が上がるよう努めています。なるべく具体的な指導となるように、点数評価、スタンプ、コメントの3種類を使います。点数評価は、毎回の食事を栄養面で5段階に分けて点数づけする、いわゆる成績表。スタンプは、コメントよりも印象に残したい場合など、特に伝えたいメッセージがある時に使っています。

ーアプリを通じて、とても人間的な指導がおこなわれるわけですね。コメントの内容などに一喜一憂する方も多いと思います。仕事の上で心がけている点は何でしょう。またクライアントの顔も人柄も分からないだけに苦労も多いかと思いますがいかがでしょう。

星野:心がけているのは、アドバイスのタイミングをうまく見計らってお伝えすることです。お客様のモチベーションが低いときにもっと頑張るように言ってもさらに意欲は低下するので、やる気になってきたときに伝えるようにするなど工夫しています。

具体的な指導の仕方は、お客様によって異なり、千差万別です。明らかにダイエットを意識していないような方や、どうしても自分を抑えきれなくて衝動的に必要以上の食事になってしまうケースなどは厳しく指導することもあります。一方で、ほめて伸ばすケースもありますし、本当にその方次第ですね。いずれにしても「食事で人を幸せにしたい」という思いが根底にあります。

ウェルネス経営の第一人者として、従業員の“食”に対する高い意識

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ーでは社外に向けた健康へのアプローチを聞いたところで、次は社内の従業員へのアプローチを聞いてみたいと思います。

FiNCさんは従業員の心と身体の健康を大事にする“ウェルネス経営”で知られていますが、オフィスに入った瞬間目にとまる立派なキッチンにまずは驚かされました。

玉野井:ウェルネス経営を啓蒙し、サービスを提供するからには、弊社自身がウェルネス経営に関する第一人者でなくてはなりません。FiNCオフィスは今年3月に銀座から有楽町へ移転しましたが、「ウェルネスオフィス」というテーマを掲げ、従業員の心身の健康増進施策を入れ込んだオフィスづくりをおこないました。充実したキッチンもそのひとつです。

ほかにも、床には身長ごとに適切な歩幅や消費カロリーを示したラインを引いたり、気軽にストレッチやトレーニングができるフィットネスフィールドを用意したりと、従業員が健康維持を意識し、実践できる工夫を各所に施しました。

ーそんな「ウェルネスオフィス」の中で、管理栄養士の方々は従業員の方々にどのような価値を提供されているのですか?

堀子:社員120人の弊社の“食”を支える管理栄養士は、現在13人。キッチンを利用して、独自の「ジャーサラダ」の開発などは管理栄養士が担当しています。栄養バランスについて考え抜いたレシピで作っていて、種類も豊富で好評です。また、家庭菜園を始め、トマトの栽培などもおこなっています。

その他、管理栄養士は、社内でおこなわれるイベントや懇親会での食事づくりも担当していますし、ウェルネス食堂という名で、健康的な食事を社員に提供することもあります。

ー管理栄養士さんの存在が、FiNC社従業員の“食”への意識に働きかける部分も大きいのでしょうね。

堀子:従業員の“食”への意識はおしなべて高いです。社内でも「FiNCプラス」を利用しているのですが、社内タイムラインでは頻繁に従業員同士の食事指導が行われています。管理栄養士も積極的に指導しようとしますし、“食”に関する質問も社内で多く飛び交います。

IT業界のエンジニアといえばデスクワークが多く不摂生なイメージが強い職種ですが、弊社のエンジニアは自らキッチンで料理を始めたり、外部向けにエンジニアのための健康セミナーを主催するほど意識が高く健康的です。他にも、いつの間にかオフィスでハーブやトマトの栽培などが行われていたり、社内の個人同士で、管理栄養士特製のお弁当を購入する従業員もいます。

また、入社してから“食”について勉強し始める従業員も多くいます。そういった従業員には、「FiNCメソッド」と呼ばれる独自のメソッドを勉強してもらっています。食べる順番、食のバランス、咀嚼回数などについて幅広く学ぶことができます。健康意識の高さこそが、社員の証と言ってもよいでしょう。社内の従業員にもアプリを提供して、食事情報を交換したり、食事指導メソッドを研修で勉強したりしています。

世界を健康にするために。FiNCが見据える、今後の展望

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ー今月14日には明治安田生命との共同調査開始を発表。これから1年間にわたり2万人の従業員を対象とする大規模な調査は、生活習慣病の予防や医療費抑制の観点からも意義が大きいと期待されています。FiNC社の今後の展望をお聞かせください。

玉野井:現在は、ヘルスケア業界のデータの統合に力を入れています。体は食事や運動量、睡眠時間、薬の摂取等、数多の要素から成り立っていますが、データを一元管理し人工知能を活用することで、よりお客様にパーソナライズされたヘルスケア・ウェルネスサービスを提供できればと考えています。健康管理からソリューションまで一貫して「楽に、楽しく、安価に」利用できるサービスをお客様に届けたいです。

私たちが描く世界の実現はもう少し時間を要するかもしれませんが、1月ローンチする予定の新しいサービスは、「楽に、楽しく、安価に」を実現したサービスになっています。「一生に一度のかけがえのない人生の成功をサポートする」というビジョンのもと、私たちは一歩ずつ着実に進んでいます

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健康経営・ウェルネス経営の先駆けとして社会からの注目を集めているFiNCですが、お話をうかがった3人に気負いはありません。健康管理や食生活の改善がもたらす個人単位の「幸せ」を手助けすることに喜びを感じている姿が印象的でした。

後編では、FiNCREWとして多くのクライアントの食生活を指導している星野さんに、ビジネスパーソンが抱える“食”の悩みとその解決法を詳しくうかがいます。

後編:管理栄養士に聞いた!ビジネスパーソンが朝・昼・夕の食事を改善するための心得

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